ブルーベリー園の防鳥ネットと暴風施設
平野でブルーベリー園の経営をする場合に、費用が一番かかるとすれば、防鳥ネット棚と暴風施設だと思います。
ブルーベリーが実る頃、鳥達も餌を求めて畑にやってきます。人によれば、鳥は来ないと言われる人もいますが
残念ながら、僕のブルーベリー園には、やって来ました。
プレオープンの2002年は、支柱を立て糸を張り対応。2003年の正式オープン時は、アルミパイプを加工し支柱を立て畑全体をネットで覆いました。けれど、この年の台風で見事に2回も飛ばされ、精根尽き果てた事を思い出します。そして、視察に出向き、単カンパイプの存在を知りました。加工も容易で、ジョイントもたくさんある。自分で防鳥ネット棚を作れなくもないなと考えました。若かったからかな~。
例えようのない苦労もありましたが、防鳥ネット棚と暴風ネットが完成した時の様子。自作でなんとか安くできた~と満足でしたが、これが悲劇の始まりでした。周囲20メートル区画くらいの畑でしたら、この四隅の支柱の建て方で十分かと思います。けれど、周囲300mくらいの区画の畑になってくると、この支柱の建て方では、駄目なんです。けれど、経験がないと、たぶん、写真のような施工になると思います。
周囲線にネットを取り付けた様子。これまた、大失敗。絶対にこのくくり方はいけません。
けれど、経験がなかったらこうなるよな~。
こちらの写真も同じように周囲線にネットをくくりつけています。なんの迷いもなく、こうやって取りつけてしまいました。
支柱は、いい感じでしたね。頭の部分もよく考えたでしょ!
ネットの取りつけ作業の様子。
頭の中は、安くできてよかった~そのことばかり。。。
1ヘクタール。10000㎡の施設が完成。施設が出来上がった時は、自分で施工した達成感で、ほんま嬉しかったです。悲劇が始まる3ケ月前のことです。
2006年、4月12日。春の嵐。台風ではなかったのですが、瞬間風速25メートルはあったでしょうね。近所のビニールハウスも倒壊していました。なんとも言えないブルーベリー畑の姿にガックリ。これと言うアイディアを出して、考え抜いた防鳥ネット棚だけあって言葉もみつからず。。。
防鳥ネットが引き裂かれていることが分かりますか?田植えもしばらくすると始まります。防鳥ネットを再度、取り付けている時間もありません。同じことやっても、また、台風や嵐がくればこのようになるし精神的に追い詰められた時でした。安く上げたはずの防鳥ネット棚でしたが、結局、安くなりませんでした。
この時に力を貸して頂いた方がこの写真の方です。吾一さんの使われた部材を再利用して、主要な所は、我が社の部材を使う形で、棚を作り、今後、このようなことがないようにしましょうと防鳥ネット棚の施工をしていただきました。
防鳥ネットも僕が最初に使用していたものと同じようにみえるのですが、糸の原材料と編み方が、まったく別のものなんです。
専門用語で、支柱の頭の部分をクラゲと呼ぶそうです。部材はもちろんのこと、道具、そして、ワイヤーや紐を結ぶ技術がまったく別次元でした。施工して頂く様子を拝見しながら、こうやって防鳥棚ってつくるんや~って思いました。そりゃ、僕の施工した方法やったら、風で防鳥ネットが飛ぶの分かるわと思わず納得。間違っていた施工方法が全部分かりました。
それから、今まで大変だった防鳥ネットの取りつけ作業も、とっても簡単になりました。3000㎡の防鳥ネットを棚にかけるのに、1日以上かかっていたのが、2時間で完了するようになりました。撤収は、その半分の時間で終了。防鳥ネットの設置には、棚を作る作業が必要になります。
がんばれば、自分で作ることもできますが、間違いなく風で吹き飛ばされます。僕もいやと言うほど吹き飛ばされました。自作で棚を作られる方は、風で吹き飛ばされない理論を授業でお教えいたします。そして、施工方法や防鳥ネットの取りつけ方や撤収方法もお伝えします。自信のない方は、僕が依頼した、施工会社をご紹介いたします。とっても農家の為を思って施工をして頂ける頼りになる業者さんです。金額も、良心的な価格です。僕もビックリしましたから。そしたら、はじめっから頼んでおけばよかったなって思ったりもしましたが、若かりしことの良き経験とでもしておきましょう。
けれど、何故、風でネットが吹き飛ばされるかが分かったことは、大きな経験でした。ブルーベリー園の防鳥ネット棚は、とても高額な設備になります。施工経験がない者が自力で施工すると、僕のように何回もネットが吹き飛ばされます。投資をすれば、投資金額を回収するまでは、最低でも農園の経営は、継続をしなければなりません。ブルーベリーの防鳥棚と暴風施設。費用対効果を、よ~く考えなくてはいけない項目です。