お金を使うな知恵を使え、そして、指導者を持て
趣味の延長の物事でさえ、プロと同等の道具がなければ一定水準の作品や物事が完成の域には達成しません。
農業を趣味ではなく生活する為に収支を考え、そこから所得を得る。すなわち経営と考え農業を営むなら
ある一定規模のスケールは必要です。そこには、投資を行い生産体制を整えなくては、いつまでたっても趣味の
領域から抜け出せません。
そこで考える訳です。夢を現実に変える為に、貯めたお金を使って農業に投資をしよう。
または、退職金をつぎ込んで第2の人生を農業に賭けてみようって。
まったくの正論です。
けれども、よく冷静になって考えて見て下さい。やってみたこともない農業に夢だからとか、第2の人生だから勝負
だとか、感情や勢いだけでお金をつぎ込んで投資の回収なんて計画どうりにいくでしょうか。
よく人は言います。あの人はこうやって農業で儲けている。こんな経営で成功したとかなんとか。
そんなものは、人は人なんです。性格も違えば、環境の要因もまったく違うから自分にあてはまるなんて思い込んで
は、投資の回収なんておぼつきません。
事例を参考にするのはいいことですが。。。
自己資金で投資するなら、半分までですね。身の丈に応じた投資です。退職金全部なんてやっちゃダメですよ。
退職金って投資するお金じゃありませんから。あくまでも余剰資金で投資を考えるべきです。これが成功法。
そして、もっと大切なことは、お金を使わず知恵を使うこと。
経営することは、最新の設備に投資をすることって考えるのですが、農産物は工業製品じゃありません。
設備にお金をかけたからっと言って、逸品を生産できるかと言えば違います。百貨店のような農園を作ったからと
言って、すべての人に受け入れられるかと言えば間違いです。まずは、自然体。あるがままでいいんです。
それが農業なんです。けれども、センスや感性は経営・商売ですから必要ですよね。
一流メーカーの防除機。本当ですかって言う金額です。防鳥ネット、目が飛び出る金額です。
僕は、そこに投資していますから分かります。費用対効果と考えればつじつまは合うのですが、投資は投資。
お金は出て行きますね。けれども、人間の考えたもの、まねしてできない物はない。ましてや工業国の日本。
代用パーツなんてネットを探せば山ほど出てきます。
そう、作れてしまうのです。プロが作ったものをマネさえすれば。
すごい設備や機械を見てしまうと、ああこんな凄いもの購入するしかないって思ってしまうのが人間。けれども
見方を変えて、はじめからマネて作れないかなって言う視点で考えること。そうすれば出来てしまうんですね。
気持ちと見方で変わってしまうものなのです。それの積み上げで、当初の事業資金の見積もりを大幅に減らすことが
可能じゃないのでしょうか。知恵です。知恵を使うのです。
うん百万って言う事業費で生産したブルーベリーも、投資を抑え知恵を使って栽培したブルーベリーも、結局の所
夏の果実が勝負なんです。旨いのか旨くないのかです。
そして、ブルーベリーは、果樹。一定水準の収穫高に達成するには、定植後、3年の月日がかかります。
単年度の野菜を作ることとは違います。3年の時間がかかるってことは、その間、売上は、ほとんど見込めません。
直売するって言ったって始めは、お客さんゼロからのスタートですしね。
もっと言えば、自己流で安易な栽培をしてしまったとするなら、例えば、ただ穴を掘ってピートモス入れて、
放任栽培。これで無農薬の自然農法ですって言っても、ブルーベリーの樹は大きく成長しません。
果実の収穫高も上がらず剪定技術もないから、小さなブルーベリーしか実りません。
以後、売上が伸びないってことになりますね。3年かけてこれでは生活すらできないです。
3年の時間って大きいです。
だから、失敗が許されないのです。
であるならどうするか。メンター(経験値から技術指導ができる人間)を持つべきです。
的確な技術指導を受けることによって、失敗を限りなくゼロにすることを考えることです。
おそらく、ブルーベリーの栽培でそこまでって思われるかもしれませんが、品種一つ間違えれば、実るはずの
ブルーベリーが夏に実らないのです。これも、僕が経験したことですから身に染みています。
授業で指導させて頂く項目、僕が失敗したことばかりです。だから指導するのです。
人は、同じ失敗を必ずするから。