ブルーベリー栽培学校

Blueberry School

栽培技術

「ブルーベリーの剪定」

ブルーベリーを栽培する上で最重要項目の一つが剪定です。剪定は余分な枝をカットすることにより、果実に適切な養分を集中させ良質なブルーベリーを栽培する技術です。しかし、ブルーベリーは枝が込み合うので、剪定は時間が掛かる管理作業になります。生産性を上げる為には栽培年数によって技を多用し作業効率を最大化する必要があります。

まずは基本中の基本。Tree Top 「枝の先端・基準枝を決め、枝を切って行く技」を学び剪定技術の土台にして下さい。では、Tree Topを簡単に解説します。
ブルーベリー剪定
Tree Topの手順は、樹形を見て幹と枝を順に見ていきます。まずは剪定をやりたい幹まるごと全体を選び、その幹の先端部分を基準枝と見立てます。写真ではオレンジ矢印です。

この矢印の部分を基準枝となる先端と定義します。この基準枝の先端には花芽が見えているだけで4つあり太く充実しています。生産性が上がる非常に良い基準枝ですね。花芽が4つあるので夏にはここにブルーベリーが実ります。

さて、僕からの質問です。

基準枝と定義したこの長さ20cmほどの枝にブルーベリーを実らせてもいいですか。実らせていいと思うなら基準枝・先端の確定です。貧弱と思うなら先端部近くから基準枝を新たに探し確定します。基準枝さえ確定できれば後は簡単。剪定をしたい幹にはたくさん短果枝(10cmから20センチ)が生えています。基準枝より短く貧弱ならカット。同等なら残す。それを上から順番に見ていくだけです。
ブルーベリー剪定
カット後は上の写真になります。次は基準枝から見て右下の枝。写真には、半分しか写っていませんが、この短果枝は基準枝から見て同等なので残します。更に左下のオレンジ矢印の枝はどうでしょうか。基準枝より短く花芽の充実度がないのでカットになります。
ブルーベリー剪定
写真上、基準枝から見て短く弱いのでカット。次は左下の枝。基準枝から見て同等だから残します。ただ単純に基準枝を決め貧弱ならカット、同等なら残す。ただそれだけです。この剪定の技をTree Top と言います。文章化しているので少しわかりずらいかもしれませんが、慣れてしまえばこれほど簡単な剪定手法はありません。
ブルーベリー剪定 天空返し
栽培5年が経過してくると樹形は随分と大きくなります。Tree Topをベースに天空返しを取り入れ、高さと通りを面一にし樹形を絞り込んでコンパクトに整えます。

樹形を絞らないと背は高くなり開帳し収集がつかなく日常の管理作業の効率が上がりません。特に収穫作業に手間がかかってしまいますね。そして、風の通りが悪くなり害虫の発生率が高まります。悪循環の始まりです。
ブルーベリー剪定 天空返し
天空返しのカットする箇所は、考え方は同じで枝の先端を見つけます。基準枝となる枝は、空に伸びて行けるカットポイトで切ること。空に向かって枝を伸ばすのです。横や斜め枝を真上へ空へ返します。だから天空返しなのです。

この技を取得しないと通りがまず横面一になりません。通りが揃わないと開帳して横に枝が伸び放題。伸び放題になれば適当に剪定バサミでバッサリ行きたくなります。結局この適当がいけないのです。ルールに従い枝をカットする。それが最も効率な栽培管理に繋がります。

上の写真を見て下さい。天空返しを多投すれば樹形の周りは人が入れるスペースができます。このスペースを剪定時期に作っておくことがポイントです。この時期にスペースがなければブルーベリーが実る夏には光をもとめて枝がどんどん伸びてくるのでスペースは埋め尽くされてしまいますね。
ブルーベリー剪定 間引き
栽培5年で取得すべき技はもう一つ。間引きです。理由は剪定時間の短縮です。時間がかかる剪定作業でも、労働生産性を上げなくてはなりません。

Tree Top 天空返しの併用で樹形は整います。けれども、栽培5年以上経過したブルーベリーの樹は勢いもよく枝は込み合う為に剪定に慣れていないと1本の樹を仕上げるのに50分かかってしまいます。仕事率が悪いです。15分に1本のペースで仕上げないとプロではないです。

剪定作業の時間短縮の為には間引きが必要です。剪定は樹を見て枝を見ていくのですが、樹を見る段階で密集群はクリッパーを使いザックリ直径1センチくらいの中枝をカットします。そのザックリとカットするポイントが重要です。法則なしにカットしてしまうとせっかく付いた花芽の枝がすべて吹き飛んでしまいます。

間引きは打診的に行うこと。間引きを行うことによって密集群を無くせます。そうなると視界が広がりフォーカスポイントが明確になり枝を余分にカットする無駄がなくなるので効率が上がります。栽培5年以上は、間引き、Tree Top、天空返しの順番に技を入れ剪定を行うことです。各段に剪定スピードが速くなります。
ブルーベリー剪定 ローテーション
間引き、Tree Top、天空返しの技を用いて樹形を造り上げれば栽培8年目になると生産性が上がる立派なブルーベリーの樹になっていますね。その頃になると主軸は直径3cmくらいの極太の軸がブッシュで形成されています。

栽培6年目あたりだったか、ある人の質問がヒントになり、ブッシュ内のローテーションが必要と感じました。何を質問されたかと言うと、ブルーベリーの寿命は何年って言う質問。そういや木化が始まり数年経過すると弱ってくる樹もあるよなって感じていた頃。

であるなら、仕立て本数+予備枝を立て時期を見てローテーションするなら年を追うごとに生産性の上がる若木を使っていけるなって感じたのです。年数が経過した樹をいつまでも使わない。それを表現したのが上の写真。

仕立て本数+予備枝で樹形が構成され短果枝も理想の20cm級をガンガン出しました。代謝のいい若木は量が取れます。そして、剪定がやりやすい。ブルーベリーは浅根でアンモニアを好みブッシュである。栽培8年目にしてやっとこのブルーベリーの特性が頭の中で繋がったのです。

ブルーベリー剪定
ブルーベリーの剪定は果樹の中でも難しいです。専門書にはカットポイントが示されていますが、枝が込み合う為にカットポイントが見えないのです。どこを切ればいいか迷います。

僕も第1農園を造成した2000年当初は剪定が分からなかったです。まずは、パターンを作って量をこなし剪定技術のベースを作りました。剪定のパターンが間違っていないと確信できたのは、畑のたたき台となる樹形から光が差し込む光景と、訪問した農家のキュウリの葉かき後に光が差し込んだシーンがまったく同じだったからです。

キュウリの葉かきもルールを作ってパターン化されています。すべて同じ仕立てになるのです。だから、光の差し込み方もすべて同じになるのだなと視覚から確信したのです。シンプルに剪定のルールを作ること。ルールがあればすべて同じになります。

このシンプルなルールが大切。シンプルな技法なら誰でも剪定ができるからです。そして、生育も管理も効率良く回ります。僕の畑に来て下さい。見てもらえば分かります。畑のブルーベリーの樹形はすべて同じです。高さ、通りがすべてが面一。そこにはシンプルなルールがあるからです。

僕はいつも思います。栽培本数が100本であろうが、その倍であっても樹形はすべて同じでなければならないです。そして、自分が切ろうが社員が切ろうが誰が剪定をしても同じ樹形にならないといけませんね。

そうなる為には原理原則を踏まえシンプルなルールの中で剪定を行うことが必要です。そうしないと樹形は揃いません。揃ってプロです。それから、剪定技術は栽培年数に比例はしません。剪定してきた本数に比例します。ルールに従って切った分だけ上手くなります。それがブルーベリーの剪定です。