40代最後の年 美味しさは情景に現れる
キャリア24年。
信金バンクを退職して家業の農家を継いで今年が40代最後の年。
お米とブルーベリーを栽培し、規模を増やしながら少しづつ前に進んで来た24年の道のり。
今、一番心に感じることは地域の田畑・田園風景を守り抜くこと。
そこには、農道や畦道、河川に水路と田園風景を作り出す源もあって
すべてひっくるめて守ることが大事であり、田畑を守って行くことが
これからの僕に課せられた一番の使命だと感じています。
また、田畑には、それぞれ所有者である地主さんがおられ、大切な資産で
ある田んぼを僕に預けて頂いた。そして、田畑に関連する各行政機関や区民の
みなさんの地域農業に対する想いもあります。だから、田畑に関わる
みんなの想いを秘めながら、僕は耕作し続けないといけないのです。
その想いがあるから、僕はいつも思います。任された区域の田畑は、絵ハガキのように、
誰から見ても感動してもらえる情景に創り上げたいと思うのです。
短い言葉で表すと「田園をアートに」それが田畑を任せて
頂いたお返しに繋がると思うからです。
感動してもらえる情景って言うのは美しさ。光輝く美しさがないと感動なんてありえません。
また、
光輝く田んぼから収穫されたお米だからこそ、美味しいと言って頂ける
逸品になるのだと思っています。美味しさは情景に現れるのです。
24年間、農業をやりながら感じ取った使命。それを具体化するには
どうすればいいのか考えた40代最後の年。頭に浮かんだことはライスセンターの建設。
2020年4月、桜の咲く頃、ライスセンターの建設開始。
任された地域の田畑を守って行くことは大規模な面積を耕作しなくてはならないのです。
限られた日数と時間しかないから各工程の処理能力を上げないといけません。田畑を預けて頂いても
できないでは話にならないのです。できないでは、僕の使命が成り立ちません。
使命が達成できるように環境を整えることが必要なのです。その為の投資。
それが、ライスセンターの建設。
2020年、8月よりライスセンター稼働。
出荷体制をkgからtへ変更。それに伴い、玄米製造プラントもラインの組み換えを行いました。
新たに玄米タンクに処理能力を上げた米選機。そして、トン袋の軽量機に投資。
機械装置の増設だけでなく人員も増員。僕を含め3人体制へシフト。
従業員としての雇用はアルバイトとしての雇用と訳が違うことも体で学べました。
社員満足度を上げる為にはどうすればいいか。まずはそこ。
けれども、満足度を上げても農園業務がこなせないと意味がない。その為に各先生方からの
助言と労務に関わる法律、農業法人から現場の状況も学び、社員と農園管理がまとまる
労務体系の確立が出来始めました。この労務体系には完成はありません。農園が大きく
成長するのと同じくして労務体系もその時に応じたものでなければならないと思います。
常に進化すること。そこが大事です。それから、社名を吾一農園株式会社として
スタートしたのもこの年。
ドローンが離陸したのもこの年。2020年4月が初フライト。離陸時、プロペラが風を切る
あの音が得に印象的。けれど、久しぶりに緊張したな~緊張したけど、この精度の高さは緊張以上でした。
農業は空から。ほんと強くこの言葉が実感できたのがこの2020年。
まだまだ、使っていない機能があります。今後の僕の課題。ドローンを使い込めば使うほど
新しいものがどんどん見えてくると思っています。
小麦から飼料米へシフト。多種品種、モミロマンを栽培した初めての年。
単純な発想。量を採る為には肥料が必要。色を抜かないこと。
植え付けから8月までは上手く行った。でも運わるく初めての経験。ウンカの発生。
前線停滞で気流に流され日本にやって来たウンカ。美味しそうな色合いの
僕のモミロマンにウンカが集まって来てしまった。株もとにウンカが発生して
田んぼにクレーターのような穴が開いて枯れ込んでしまうのです。
減収要因。
初めての多種品種。ポテンシャルに期待をかけ気持ちを入れていただけに
落胆度合いはかなりのものになりましたが、ピンチはチャンス。
モミロマンの生育過程から勉強のやり直し。言葉どうりピンチをチャンスに
変えるべく来年も挑戦。何事もポジティブに。
まあ、いろいろありました。
今年はちょっとしんどかったが本音。体もへばったなって。
けれども、なんとかなりました。
失敗しても、真面目に普段から取り組んでいると人は見てくれているのでしょうね。
不思議なもので必ず助けてくれる人が現れるのです。みんなに助けてもらっての2020年。
そんな年になりました。みんなに本当に感謝。それしかありません。
新しいロゴも5番は、みんなと繋がって守ってもらってるんだよって
言うイメージの中で制作を依頼。一人じゃできることは知れています。
繋がって想いを一つにするから大きなことに立ち向かえるのです。
繋がりを大切に前へ。
あっそうそう。
イメージした金色の世界はウンカのおかげで最後に気持ちが落胆。
最後の大区画、稲穂が垂れる田んぼを歩くが、ウンカの穴を見ると
悔しくて悔しくて。。。
今年、こんなに頑張ったのに言葉みあたらず。
自分の想い描く金色の世界は、着地失敗で創り上げられなかった。
やっぱり着地は大事。
でも、打たれ強くなったなって時間の経過と共に感じる自分がいます。
働いて強くはなってるぞ。