伝えること
後輩達の教育担当の紀彦さん。吾一農園に来てくれて4年。業務はテキパキとやってくれるまでに成長してくれました。昨年から僕から学んだことを後輩達に伝える立場になり、ちょうど1年。僕は農家で育ったから少年時代から周りには農機具が盛沢山の環境。軍手はめて小学生の頃からコンバインの操縦をやっていた記憶があります。環境が環境だけに、年間の米作りの工程なんか教えてもらわなくても絶えず見てるから少年時代から分かってしまってるのです。だから、26歳の秋に農業を仕事として始めた時も、米作りに関わる作業工程はすべてイメージ完了って感じで、すべてにおいて難しいって感じたことがなかった。
だがしかし、農園を法人化して雇用を始め現場経験なし、まったくの異業種から入社してくれた社員に業務の説明をした時に痛切に感じたことは、僕の伝えたこと、まったく伝わってないがほとんど。なんで伝わらんの連続。忙しすぎる春なんて特に。怒っても仕方がない。僕の伝え方が悪いが答え。そこで考えた。まずは、メモを取らす。そして、復唱。指差し確認。実行前のLINEスタンプ。写真を撮り、業務マニュアルも何工程は作った。トラクターの室内には一時期、運転マニュアルだらけ。どれ見るのって笑えるくらい張り紙があった時期も。
伝え方にはいろいろある。一番効果が出るのは実演すること。見せながら指導を行うこと。そりゃ一番イメージできるから。社員もよく分かるよね。でも問題は、僕にその時間がほとんどなかった。少数精鋭で業務を行っていたことが原因。その環境化で育ってくれたのが紀彦さん。写真でも分かるように背負動噴にて肥料を上手く拡散し蒔いてくれてます。ノズルの角度も僕が教えたとうり。左手も上手く使えています。昨年の管理台帳から稲の出来を考察すると紀彦さんが肥料を散布した圃場の出来は良かった。そう、均一に肥料が散布できていたから。知らない間に散布技術を上げてくれていたのです。だから頼んだ。紀彦さんへ。2人を教えてくれって。
積み上げた技術を今度は後輩へ伝承の紀彦さん。僕から見て、2人共に馬力はある。いい脚力。強いぞ!往復でタンクの肥料を蒔き切る速度も肉体化できて来た。けれども、紀彦さんや僕との違いは、左手の使い方。写真でも分かるのだが、左手が二人とも遊んでいます。これではノズルが均一に振れない。フォームの修正が必要です。でも、大局は指導できた。次節は細部。フォームだ。骨盤を立たせること。そして、左手。そうすりゃ、もっと綺麗なフォームになる。フォームが綺麗なやつは仕事にロスがない。僕の持論。
錆付いたパーツを取り換え、整備してきた初期型と後期型の僕の動噴は、2人の元へ。この暑さを感じるといつも思い出す。気持ちや気持ちって心の中で叫んで必死になって肥料を撒いていた自分。この想いも同時に2人に伝わればと思いながら次節に備えるとしよう。