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ブルーベリー栽培農家 吾一農園株式会社
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涙雨から5ヶ月

涙雨から5ヶ月

父が永眠して5ケ月。とにかく元気で威勢がよかったのですが、病には勝てませんでした。
わしは不死身やって周囲を笑わしていたのに。今でも、田んぼで仕事しているように感じます。

父から米作りを学んだのが26歳の秋から。
ちょうどこの季節。稲刈りからでした。あれから20年。何を教わったのではなく。ただ父の姿を観る。
元気な姿を見る。そこに尽きます。

昨年は、父の栽培基準をベースに自己アレンジ。肥料も水管理もすべて。僕が試したいことやってみた。
上手く行った品種、そうでない品種、さまざま。

やっぱりコシヒカリだけは、父の栽培基準に近づけようと試み同じ作り方をやってみた今期。
穂の長さはぴったり同じになった。真似できたと思ったが、生えて来た雑草も同じになってしまった。
真似しなくていいものを真似てしまった。けれど、この環境化の中、何で父が苦労してきたかが分かる。
僕には言わなかったが、よく分かる。

そして、

米作りは5年平均で考えろってよく僕に言っていたのを思い出す。
1年目が良くても、それが続くことはないって79歳まで現役を貫いた経験値からくる言葉。
欲をかくなって。平均値だって。量を考えても倒したら駄目だって。

災害の影響で収穫高を落とすことも想定内だったのでしょう。
だから平均を取れって。

今期、台風20号が来るまでは順調な生育。20号が来て、10日後の21号。
同じコースで勢力が増してるんだから続けては作柄に影響大。
あれから良い晴れ間もなく雨。秋雨前線の影響。この情景、父の涙雨に似てる。

父の時代と何が違って来たか。それは、天候。
豪雨に夏の高温。それに、台風の発生率の高さ。
1時間に80ミリの雨に高温に暴風。すべて想定内にして栽培を試みること。
そこがポイント。

田植え
この写真は、父との想い出の一枚。
植えたな~。父と。毎年、何十枚も何十枚も。

この写真を見ていたら、思い出した。

耕作する田んぼは湿田地。そこで、いかに大型機械を使いこなすかを一番教わったように思う。
特に田植機。知ってること全部教えてくれた。装備するオプションからコース取りに旋回。
だから、今でも体に染みついています。父から学んだ運転技術が。

これからは、ドローンにロボットトラクター。もう、実用化は来ています。
けれども、それは今までの作業工程や運転技術を熟知して初めて操れる機械装置。
あくまでも、父から観て来たもの、学んだものがベースになります。

僕の中では、稲作は空とIT
そんな時代の中で戦いたいものです。