育苗シーズンが始まっています。工程で言うと2回目の温湯消毒が完了し、消毒後の種籾は浸種の開始。次節の播種に向けての工程が進んでいます。
1回目の播種までの工程を考察するに例年より天気が非常に穏やかでした風の強い日もありましたが、夜温もさほど真冬状態に逆戻りすることなく気温に水温も安定し発芽も良好で近年にない順調なすべり出し。
でも、油断することなく気を引き締め、5月中旬までの育苗シーズンを乗り切ります。

温湯消毒は、60℃のお湯に10分間、種籾を浸けます。そして、すぐさま冷水に冷やし消毒が完了します。
農薬と違い手間と時間が掛かりますが、極早生品種の育苗は、寒さの続く3月中旬から始まり水温も低く、浸種時の積算温度の兼ね合いで、水温を加温しなくてはならず温湯消毒を絡めた工程を組むことが発芽の条件に合う為にこの工程を考え取り組んでいます。
寒さが続き、水温が10度以下の育苗は非常に難しい。僕も3年前に大失態をやらかしています。だから、温湯消毒を取り入れた育苗工程を考えたのです。
規模、労力、機械装置。育苗を行う環境が人によってそれぞれ違うから、大局は真似ても、細部だけは真似ができない。独自の積み上げでしかなく、そこが一番苦労する所なのです。頼れるのは、自分の経験値と実証数値。

今年からチームクルーの「かとちゃん」「笙くん」を育苗の職人に育てることにした。二人は数値や指標を読み取る力があり、数字の間違いが嫌いな所が非常に優秀なのです。数値を追う彼らの集中した表情は僕から見ると国宝級なのです。冷静な気持ちで数字と向き合いますね。学生時代の勉強の量が僕とはまるで違うのが接して良く分かります。
育苗は、気温と水温。日数。分量。関わるものを数字に落として現物を観て行くことが大事。そして、その数字を蓄積させて眺めること。そうすれば傾向が出ます。基準が分かれば対策もできる。
育苗だけは失敗が許されないから基準の数値をたたき台に次年度の育苗を考えていかないと大失敗を引き起こすのです。条件のいい4月だけの育苗ならいいが、大面積を追うと極端な天候の中での育苗をやらざるを得ません。近年の天候は極端。だから、経験値を基準の数値で武装することが必要。
そして、チームで動くこと。一人では、ついつい理由をつけて主観に走るから。
ようやく、チーム吾一農園もクルーが育ってきた。だから、彼らがやりたい仕事に付かせられることが可能になる。と同に僕のマネジメントの能力もアップデートして行かなくては、クルーの能力を引き出して上げられないと思っています。だから勉強する。お互い好循環だ。このようやく整った環境下の中で彼らを育苗技師として育てたい。技術と魂を持ち合わせた職人としてね。
