第68回滋賀県中学校駅伝大会 男子・優勝。
35年ぶり母校が滋賀県チャンピオンになる。2017年11月17日の出来事。
優勝の背景には、選手達を常に沈着冷静な気持ちの中で襷を繋がせた監督の指導方法に尽きます。前年度、勝つんだオウーのチーム作りで大失態。あんな悔しい思いをしたのは僕も久々だった。優勝するチームは勝つことのマインドは当たり前です。そこを集中して教え込んでも勝ちは転がってこないのです。駅伝は監督が指示した戦術。設定タイム。通過ラップをいかなる時でも守って襷を繋げるかが大前提です。それによって好循環な流れが呼び込めるからです。
しかしながら、この沈着冷静な気持ちをいかなる時でも持てと言うのは中学生には非常に難しい。指導はできても実践ですぐにできるかと言えば無理です。大人でも難しいですから。では、何故できたのかを今考えると、監督は学級担任として選手達を3年間、練習以外でも見守ってこられた訳です。僕には見えない熱い絆があったからなのかなって想像します。監督の練習以外の顔は、温かかったに決まっています。監督と言うよりは、選手達からみると父親って言う感じの表現がここでは伝わりやすいでしょうか。父親に支えられてレースに走れた。気持ちの余裕はそこからなのでしょうね。

1年生ながら1区を任された北村。区間8位で通過だからなかなかのものです。2区の清水は襷を繋ぎ、3区の久禮、流れを引き戻し順位を4位に上げてくれました。そして、ゲームチェンジャーの4区の樋口。見事に区間賞をとりチームは先頭に踊りでます。

最終区。エースの中溝。3秒差で襷を受け取り、並走してラップを刻み、主要ポイントで相手を抜き去りゴール。翌朝、地方紙の見出しには古豪復活の見出しがでました。卒業生としてはこれほど嬉しいことはなかったです。

各選手のラップ。希望ケ丘・芝生の丘陵地コース3K×6区間でレースは行われました。6区エース中溝は別格です。3区の久禮、終盤に若干へばっていますが、順位を浮上させ逆転劇の足掛かりを作ってくれたことが分かります。4区の樋口が渋い。準エースで抜群の安定感。どのレースでも崩れることがないので満を持して監督が想定する主要区間を任せることができたと思います。
1キロの入りを見てみると3分11秒から12秒の選手が4名。練習で掴んだ自分時計をラップで見事に表現してくれました。6人中、4名が優勝を狙う大会であろうとも、襷を受け取った順位がどうであろうとも、日常の自分が出せているから強いです。1キロの通過ラップを見る限り、監督が示されたラップを平常心で淡々と走ってくれたことが分かります。

それから
学校側の応援も素晴らしかった。校長先生を始め、総監督。校長先生は校内の畑で収穫した薩摩芋を焼き芋にしてミーティングに振舞ってくれた。選手にすれば最高の思い出。朝練もほぼ毎日、足を運んで頂いていた。若かりし頃は、他校で駅伝チームを率いて県駅伝・女子2位のチームを作られている。
総監督は、前監督であり僕も長年お仕えした闘将。選手の気持ちを感じとり投げかける言葉が巧みなのです。それは戦果から感じとれる。総監督はまずはグランドに立つことと僕に教えを下さった先生。監督にしろ、学校長、総監督。温かいんです。一緒に仕事をしたから良く分かる。
優勝杯が渡され、写真撮影後に監督を胴上げした。バスに乗り学校へ。職員室におられた先生方が僕達を出迎えてくれたんです。森原が優勝杯を持って照れながら拍手で迎えられた花道を歩いている光景がやけに微笑ましかった。その周りには照れながら選手達が歩いていたよな。思い出に残っているワンシーン。青春そのものを味わえた特別な時間だった。
